夜は本にきまっています。本がなければ

何千何万の夜をどうやって越していけばいいのやら。

パゴダさんがいうには、昼は緑、夜は本、とか。

夜と本は切っても

切れない間柄。

 

本・・・・

ときどき

絵・・・・

わらうきいろオニ

梨屋アリエ 講談社


ブックデザイン ・脇田明日香

この小さなオニの子は、ツノが3本もあって、

色も赤でも青でもなく「きいろ」。

オカシイといわれたってなんだって、そうなんだからしかたない。

とくいはお手玉

みんながたのしんでくれればうれしいし。ひとりでいるよりはまし。

だけど、なんでかな。そうしてるうちに、おなかがだんだんでっかくなって、

たぷたぷふくらんで……可笑しいんだか、せつないんだか。

ツツミマスさんと

3つのおくりもの


小峰書店

さかのぼること数年前、なにになりたい? それはね…という妄想職業図鑑のような、

小話集をつくった。「ツツミマスさん」はその中の1つで、他に「シラベマスさん」とか、

「トドケマスさん」とか……。 12の少しオカシナ職業。どれも何かにとりつかれて、

仕事が服を着て歩いているような職人かたぎの。

「ツツミマスさん」はその名の通り、つつむことにとりつかれて、

ただただつつんでつつんで、つつまれて、

暮らしていきたい、それだけなんです。つつめれば、ごきげん。

無上の喜び。紙や布や箱や紐やリボンでいっぱいの店で、ひとり、

「これ、つつんでくれる?」というひとがくるのを、

つつみながら、待っています。

「つつむ」って不思議。

〜つつむと、きっと、何かが変わる

ツツミマスさんは、そう思っています。

つつんでもらった人?

つつんだもの?

それは、つつんでみてのお楽しみ。

ダジャレーヌちゃん

世界のたび

林木林・文


ブックデザイン ・

倉科明敏(T.デザイン室)

303BOOKS

今夜の本にこんな物語をどうぞ

注意書き〜

かなぼうショップの

あまのじゃくは音楽家で、

一緒に歌いたい方は

巻末に楽譜が付いています。

おうちずきん

こがしわかおり 文研出版


コのめで、じっと街ゆくヒトビトをみている女の子。じろじろ。

ひがくれれば、ヒトビトはみんな、おうちにかえります。

でも、女の子には、かえるおうちがありません。

きたきりスズメで、もっているものといえば、

ふるぼけた、おおきなずきん。

でも、女の子は、おうちをもつヒトビトを

うらやむだけじゃあない。

あたしのおうちはきっとある!

まだであえてないだけ。

くちびるをかみしめて、そうしんじているんです。


どうして宿無しなんているのだろう。

おうちを手にいれるのがこんなにたいへんなのだろう。

まだまだ人は進化のとちゅう。

ダジャレーヌちゃんは、由緒正しきダジャレ家系の娘。

ダジャレひっさげ、空飛ぶトランクのトラさんと相棒のコトリンと、

世界でダジャレ腕だめし。

ダジャレをさけべば、世界中の人がダジャレで返してくれます。

ダジャレーヌちゃんいわく

「ダジャレって、世界一短い詩でもあるんだなあ。

あたしは旅する詩人。吟遊詩人よ」

いっしょに世界旅行をしてすっかりヘトヘト。

でも世界中に知り合いができたから、まあいっか。

おしらせoshirase.htmloshirase.htmlshapeimage_10_link_0

森のポストを

あけてごらん

山中真理子・作


ポプラ社

森を木を自然を描けるのは幸せです。生きていくのに必要なものは、人間以外のものたち。

草木や虫、鳥や流れる水、風や雲、、

なんでもなくいてくれるものが、いちばん大切で、安心だということ。

雑木林や、屋敷林などの樹液したたる大木の下生えに集まる虫たち、きのこ、野いちごの実、

シダに、アオイ…のぞきこんだ瞬間! (ああ、ああ)宝石箱みたい。

この世でもっとも美しかったもの。

近頃の研究で、植物は、しゃべるそう。「ああ、そんなこと、わかっていたよ」ですね。

木は、いつでも、葉っぱの手紙をくれているのです。

さて、どこへいきたいんだろう?

猫の頭のなかとか? 雪の国の森の中とか? マハラジャの楽園とか?

やわらかくって、ゆかいで、あたたかくしめっていて、

イチゴミルクのあまい匂いと、夏の日のミツバチみたいに げんきで、

でも、おてんきな日にふる雨みたいに、しずかで。

オルゴールとオモチャのピアノの   音楽がなっている。ああ、素敵。

モモはまだとてもちいさな女の子で、  もうすぐやってくる、

ダレカに、うれしいような、

せつないような。

えほんよんで

どこへいきたい?

服部千春・さく


岩崎書店

絵とデザイン・こがしわ

ミズイロちゃん

こがしわかおり・さく


文研出版

ブックデザイン・こがしわ

いまはもういない、いてほしいだれか。でももうきてくれないと

わかっている、だれか。

カタカにとってはおばあちゃん。

いつの話? わかりません。未来か、遠い昔か。

草木の生えない、砂埃でかさかさの

荒れ地の街にカタカはいます。ママとパパは街に出稼ぎ。

ひとりドームで過ごすカタカ。

話相手は頭の中のおばあちゃんだけ。

そんなカタカの前に現れた「なにか」とは?

ただただ「ミズイロ」の

ひたすら「ミズイロ」のミズイロちゃん。


なんだかさみしくて、さむくて、モヤモヤして。

眠れない。そういう夜に開けば、

すこし愉快になれて、ホウッと温かく眠れる。

そんなだれかに読んでほしい。

いるのかなあ。そんなだれか。

小さな子でも、「ふあん」のサイズは

大人とかわらない。だれか、

大事に思ってくれる人の声ででかける異世界が必要だ。

どこからきたのか

ミズイロちゃん

どこへいくのか

ミズイロちゃん