nekono koto toka

 

はじめは〝くろねこマーリン〟ではなくて、

〝マーリンのゆめ〟でした。

猫はゆめをみるのでしょうか?

猫は申す、「失礼だなあ」。

脳があって、記憶できる生きものなら、

ゆめをみるにきまっています。


マーリンは遠い遠い南の島から

はるばる都会へやってきました。

ここはいつもあたたかいし、やさしい手はふわふわしてるし、

さみしくない。でも森はないし、

大きな水たまりもなくて、星も見えない。

ときどき、満天の星や、流れる新鮮な水、光るキノコ、

色とりどりの鳥たち、、、冒険に満ちた暮らしを

ゆめにみるのだ。

マーリンは

森のねこ

である

nekono koto toka

アナタヲミテイル

こがしわかおり・作

この子たちは、ただみているだけ。

だまって、手帖にしるすだけ。

でも、どんなときも、

けして目をそらしません。

あなたのことを、いつも、

かならず、どこからか、みています。

「わたしにはいない」?、ありえません。

かならずいるんです。きづかないところにね。


ただだれかがみているだけで、

日々のよしなしごとをのりこえて

いける…。

ヒト、ねこ、いぬ、とり、、、だれでも

そうではないかなあと家主は思っています。

おまけ

ねことママレード

みねぎしりょうこ・作

こがしわかおり・絵

ねこなのに、ママレードがたべたくって

たべたくって、たまらない。なあんて、ねこのはなし。

お話を書いた、みねぎしりょうこさんは、詩人です。

なんてリズミカルで、たのしい! ことばたち。

かみしめると、おいしい味がするふしぎ。

ついでに、かんたんママレードの作り方も

わかっちゃう。ま、ねずみたちの作り方だから、

テキトーかもね。でも料理はテキトーからはじまる。

なつみかんでためしてみてね。

くろねこマーリン

ハンター京子・作


絵/装丁 ・こがしわかおり

ティルナノーグ出版

https://tirnanogpress.com/

おいら、すてネコ『たまご』です

山口理・作


絵/装丁 ・こがしわかおり

文研出版

https://tirnanogpress.com/

たまごは、町のねこである。

だから、 うまれた瞬間から人まみれである。

だから、たまごのかんがえることは、人とおなじ。

いや、ちがうか。

鏡のように人の思うこと、喜ぶことを映しているのかも。


ねこは人とすむことをのぞんできた。だろう。

おいしいごはん、あたたかい寝床と、

ねずみとりの才能と、愛らしい姿。いい関係だ。

でも、猫のほんとうのぞみはわからない。

それは今の時点では人がわから見たものだけ。

猫自身もわかってないのかも。

言葉にならない答えはある。

ねこは「いま」だけを生きている。その今は、

好き、おいしい、いごこちいい。につつまれていたい。