Ukko-no-

mori

 

「植物」については、昔から不思議でなりません。「動物」のパゴダさんには。

何もないと思ったら、いつのまにやらはびこって、

こんもりしげってると思ったら、いつのまにやら荒れ野原。


パゴダさんは、大きな木なんか見つけると、できればおちかづきになりたいと思います。

でも、あいてがパゴダさんに話しかけたいと思わないかぎりは、

こっちの思うようにはならないのだと、パゴダさんは、ちかごろようやくわかりました。

「ウッコ」のおかげで。


パゴダさんはウッコが、もとは、植物=森の木だったと

うすうす気づいています。ウッコはそのことについて、

なにも話したりしませんけどね。

すこしいっしょにいれば…ふとした仕草やことばのはしばしが

どこか? 風と光と水に弱くて…ほかにも。


あたりまえですが、よくよく草木に通じています。

パゴダさんは、じぶんの庭の草木ことから、苔のこと、水草のこと、

はては野菜のながもちについてまで、すべてウッコ頼り。

いつでも森にいるけれど、いつでも話せるとはかぎりません。気分しだい。

まあそう。

 

日本の生きもの図鑑 講談社

ウッコがいなくても…

たいていの植物や動物についてならこれ!

ウッコがわりに重宝します。

生きものはどれも、ヘタな物語より

ず〜っとスリリングでファンタジックな

お話の宝庫。驚きの連続です。

たくさんのお話がつまった本として読んでもオモシロイ。

Ukko-no-

mori

ウッコの森は不思議です。

いくたびにかわっているからです。


あるときは、しんと静かで、人の影もなく、

あるときは、苔だらけ、あるときは、金赤茶色、

あるときは、背丈ほどのシダだらけ、そしてあるときは…花盛りの道。


息もできないほど、しっとりしているかと思えば、かさかさくしゅくしゅ、かわいた音ばかり。


でも、それは不思議でもなんでもないんだそうです。

森っていうのはそういうもんだ、とおばあさんが教えてくれました。


パゴダさんは、ながく街ぐらしをしていたので、

森、植物について、そんなあたりまえのこともわすれてしまったのか、

それとも、もともとしらなかったのか、それも今はもうよくわかりません。


ウッコって? ウッコにであったからウッコの森。かんたんです。